|
戸田S.源五郎さん
>国立国会図書館デジタルコレクションに大正5年の「海軍水雷術教科書草案」
お調べいただいた上にご教示いただきありがとうございます。
「電線」は先にレスした想定の範囲を出ていないと言うことですね。
>大正4年に一旦全面的に廃棄された管制機雷の電纜敷設用でない
大であるものを「電纜」と言い、小であるものを「電線」と言おうと、「ケーブル」の海底敷設は
何も管制機雷用とは限ったものではありません。
したがって、旧来の管制機雷が廃止されたといっても海底敷設の役務が無くなるわけではありません。
要するに、海底敷設するケーブルの用途が何であろうと、そして大であろうと小であろうと、特設
電線敷設船はケーブルの敷設について能力の高い艦艇が出て行くまでもないことのいわば“下請け”
“雑役係”であるわけです。
ですから「特設艦船部隊令」で“主として”になっているのであり、ケーブルの大、即ち電纜と、
小、即ち電線とするものについての実質かつ現実的なその区分・切り分けは難しいためなのです。
そして、福井静夫氏の著書を持ち出すまでもなく、管制機雷や聴音機、磁気探知器の敷設などは
“単なる”ケーブル敷設と異なり、その作業には専用の設備と能力を持った艦船が必要となることは
当然のことです。
勿論、電纜敷設艇の任務・用途が管制機雷(など)の電纜敷設に限定されるものでないこともまた
言わずもがなです。
このため、ケーブルの用途が何であれ、また大であろうと小であろうと、太平洋戦争開戦後の海底
敷設の需要増に伴い、わざわざ数が少なくかつ能力の高い電纜敷設艇が出て行くまでもないような
用途の“下請け”として3隻が徴用され、使用されたのです。
したがって、私が「世界の艦船」で書いた内容も、そしてここでレスしてきたこれまでの内容も、
その通りです。
ですから危惧される一般読者の方々の曲解にもなりません。 誤りはありませんので。
逆に、艦船の艦種名に捕らわれてその用途、任務を限定して考えてしまうと間違ったことになって
しまいます。
極端な話し、では駆逐艦という艦種は巡洋艦以上の艦艇が出て行くまでもない任務・行動には使用
しないのか、あるいは輸送・補給艦艇などが出て行くような役務には使用しないのかとなり、そもそも
始めからその様なことは一切考慮せずに計画・設計され建造されるのかということになってしまい
ますね。
>ご不快に思われたならば
いえいえ、こういう議論は良いものですね。 ありがとうございました。
|
|