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突破口はメディアの改革

 投稿者:濱田武士メール  投稿日:2011年12月 4日(日)04時29分12秒
返信・引用 編集済
   「漁業改革が突破口」を見出しにした朝日新聞(2011/12/2朝刊1面)の内容は、富田氏の書き込み(朝日新聞「ニッポン前へ委員会提言」20111202について)のように、全く目新しさがない陳腐な内容が綴られている。記事を見る限り、議論としては何も前進していない。むしろ、後退しているように思える。
 「ニッポン前へ委員会」のメンバーを見ると、何の専門家か分からない方々が並んでいる。彼らはどれだけ漁業や漁村そして水産加工・流通のことを調べて議論しているのであろうか。惨事に便乗して提言するのはそれぞれの勝手ではあるが、彼らは、被災地である漁村に出向き、被災者である漁業者と向き合い、改革案を説き、説得できる論拠と説得する覚悟をもっているのであろうか。被災地で、彼らが提言するマーケティングのやり方や漁獲枠の使い方などのお手本を実演でもしてくれるのであろうか。
 近年、さまざまな媒体を通して、漁業の改革論や政策提言などが山ほど出ていたが、どれも不毛な議論・内容ばかりだった。それらの内容は、漁業経営の企業化、協業・共同化、資源管理、漁獲枠割当、ITQ、マーケティング、ブランド化などのキーワードに収斂する、20年前または30年前からある内容ばかりである。今村奈良臣氏が提唱した6次産業も随分と昔のことである。
 各地を歩くと、小さな取組ではあるが、地域の環境や資源を生かした、さまざまな取組が見られる。それらの取組には地域のアイデンティティや働く誇りが再生されている。というのに、出てくる提言内容と言えば、そうした実態を踏まえていない、上から目線のものばかりである。
 よほどの説得力がない限り世論や政治に働きかけても改革には時間を要する。改革を急げ!、スピード感をもった改革!と叫ぶのなら、現地に訪問して漁民らを集めてそこで自ら指導・説教するか、緻密な分析を踏まえたビジネスモデルを一つでも提示してくれれば良いだけである。無責任な立場からの無責任な提言(幻想ばかり押しつける提言)を繰り返す、この精神の貧困さには辟易として何も言葉がでなかったが、大手紙一面に改めてこうした提言が出てくるとなると、もやは病的現象と言わざるを得ない。真実を伝えることより世論誘導に力を注ぐ大手メディアと思考停止している新自由主義陣営のWin-Winの関係に漁業界まで完全に巻き込まれてしまったようだ。
 復興の突破口は、まずは、ゴシップネタに囚われて、不毛な議論を巻き起こすメディア体質の改革ではなかろうか。私はジャーナリストではないので、ジャーナリズムは良くわからないが、一つ一つ丁寧に取材を積み上げて、真実を捉えて、認識を深めて、言論に繋げていく、ジャーナリズムの復興こそが今求められていることと思う。
 
 

朝日新聞「ニッポン前へ委員会提言」20111202について

 投稿者:富田宏メール  投稿日:2011年12月 3日(土)18時56分25秒
返信・引用
  12月2日付けの朝日新聞「ニッポン前へ委員会」提言“漁業改革が突破口”について、ひとこと。
学生時代、当時国鉄のスト権ストの際、電車に乗り込んだ行商の老婆に駅員が一生懸命同じ目線に立って困った表情で説明している写真に感銘を受け、ファンレターを書いたら、記事を書いた記者から、田舎出のいち貧乏学生に丁寧な返事を返してくれて以来、1日かかさず読んできた新聞である。
たまには、つまづきつつも、戦後、大本営発表機関誌から脱却、時には青臭いとも思えるほどの理想主義を背景に、社会改革と革新的精神を訴え続けてきた同紙が、①6次産業化の促進による若い世代の漁業就労促進、②漁協や漁業者だけでは資金力やノウハウが乏しいから加工・流通業者等との共同事業体づくりの促進、③漁業改革の先駆けとしての漁業権や漁協などの既得権の見直し、④過剰な漁港の統合を、既に、どこかで聞いたことのある論調をトレースするように載せている。
しかも、農業と漁業を一次産業というくくりで、いっしょくたにした乱暴な論法だし、漁業者や漁協の現場の努力を全く無視した論調。今、現在、漁協に再生・復興のガバナンスに欠ける部分があったら、復興施策の要諦は、漁協体制や個々の漁協の体質強化にこそあるのではないか。
共同、区画、定置漁業権に依拠した東北三陸の家族経営型、漁村依存型生産の部分と許可漁業の部分が混同しているように思えてならない。そして、漁漁権制度に基づく沿岸漁業が漁家の所得平準化のさまざまな努力の結果、地域社会の存続に寄与している視点もないし、家族経営型・漁村経営型沿岸漁業の合理性への理解もない。
今、東北三陸の再生に向けて、それぞれの浜は懸命に動き始めている。彼らは、地域の日々の営みやくらしより先に、被災地を復興に名を代りた市場経済の実験場にしようとしているのか。
被災地を、実験場にすべきではない。スピード感を持った復旧、もとの営みとくらしを先ずは優先した復興まちづくりに着手するべきである。
もとより、右肩下がりの漁業指標の改革・改善の必要性に関する問題認識は共有する。しかし、東日本大震災が起こったから、問題が顕在化したのではない。問題は、従前から継続的にあった。世界の三大漁場とも奇跡の海とも呼ばれる東北三陸の漁業とくらしをもとに戻した上で、しっかり議論すればいい。
同紙「ニッポン前へ委員会」委員名簿を見ても、漁業、水産業の専門家はいないように思える。どの程度の議論の末に、このような提言に行きついたのか分からない。本当に、この提言内容は改革なのか、もしかする自分が守旧派で氷河期の恐竜なのか。
投稿者のもとには、全国の漁業者や漁村をかかえる市町村職員からの憤懣やるかたないメールが届いているのは確かである。
 

悲惨のなかの悲惨

 投稿者:濱田武士メール  投稿日:2011年 9月 9日(金)11時27分32秒
返信・引用 編集済
   震災から半年が過ぎようとしている。私は、5月以後、定期的に被災地に入り、調査を続けながら復興の推移を観察してきた。

 8月に入り各港で水揚げが再開した。しかし、それは部分的であり、総体的に見ると復旧は遅々として進んでいない。漁船が不足しているだけでなく、壊滅的な状態になっている漁港の復旧や水産加工施設の復旧がほとんど進んでいないのである。そのような状況に漁業者も、水産加工業者も苛立ちを隠せない状況になっている。

 他方、政府は、第1次と第2次補正予算の中で、漁船、漁港、市場関連施設、種苗生産施設、水産加工施設などのハード面の復旧支援対策を打ち出した。第3次補正予算では、それらの既存(第1次、第2次補正)の施策メニューの予算拡充に加え、新たにソフト面への復旧スキームも創出されるようである。
 しかし、せっかくの施策支援ではあるが、現場ではこの活用を巡り混乱が多々見られた。行政と民間との間で、である。
 復旧・復興を進めるための地元の受け皿(県行政の出先機関、基礎自治体、漁協、水産加工協)はマンパワーが不足している。その上、彼らは通常と変わらない行政手続きを短時間で大量処理しなければならない。本来なら、県、基礎自治体、漁協・水産加工協、組合員(漁業者、水産加工業者)との間で施策活用のための摺り合わせをしっかりと行わなくてはならないが、現場ではそのようなことを行う余裕を失っているのである。災害の規模を踏まえた行政手続きの簡素化が必要ではないであろうか。
 被災地の混乱はそれだけではない。大手メディアの浅い認識による報道が被災地をより困惑させている。例えば、9.2の朝日新聞の朝刊記事(サケ漁 岩手の乱「漁協が独占」知事に改善要求)が最たるものである。偏見も甚だしい記事であり、一部の反水産庁・ルサンチマンに迎合しているようにしか思えない記事である。地域水産業の復旧・復興に向けて、しばらくは、地域内のステークホルダーは互いに尊重し合い、まとまらなければならない。そのような時期に、行政、漁協職員、漁業者らを分断するような報道、漁場利用に内在する対立を煽るような報道は控えなければならない。もし、漁業者らの「自治」を壊すこと、復旧・復興を遅らせることが意図ならその報道は悪質である。いずれにしてもそれらの報道は被災地に対する配慮がなく被災者を被災者扱いしていない。これは「メディア災害」とでも言えようか。「悲惨のなかの悲惨」としか言いようがない(なお、東日本大震災復興構想会議は「復興への提言」のサブタイトルに「悲惨のなかの希望」を掲げている)。
 被災した水産関係者は、地震、津波、原発事故そしてメディア災害と、4重災害に見舞われたことになる。
 

急がれる水産加工業への政策支援

 投稿者:濱田武士  投稿日:2011年 6月15日(水)03時00分57秒
返信・引用 編集済
   漁業と水産加工業の関係は表裏一体の関係にありよく車の両輪に例えられる。しかし、今日の需給構造を踏まえると、水産加工業が漁港都市・漁村の地域経済を牽引してきたと言っても過言ではない。彼らこそが、きめ細かなマーケティング活動により、食の多様化、簡便化、食品に対する安心・安全要求の強まりに対応して、水産物の市場拡大を図ってきたからである。原料市場、製品市場がグローバル化した今日では、漁港都市に立地する中小企業とは言え、国際的なビジネスネットワークを有し、国際競争力の強化を図っている業者が少なくない。
 ところで、三陸、常磐に立地している水産加工業者の多くが、工場の全壊または半壊など、多大な被害を受けた。現在、加工業者は、瓦礫の撤去に取り組むと共に、冷蔵庫に残った腐敗した製品・半製品・原料在庫の廃棄作業を行っている。異臭の中で、加工場の従業員が苦闘している。こうした、各漁港都市における被災した在庫は数千トンにも及ぶという。この処分作業に対しては、すでに財政支援が施されているが、手作業のため時間を要している。そのため、多くの加工業者が工場再開に目処が立っていない。また、建築規制が延長され、そのことにより加工団地内の工場の建て直しの見通しがたたないという業者も多い。
 その上、復興に向けての水産加工業者への財政支援は十分に準備されていない。第一次補正予算の中の水産予算では水産加工業者への財政支援はたったの18億円しか組まれなかった。水産予算枠(2153億円)の1%にも満たない額である。また、中小企業庁の予算中に、水産加工業が対象となり得る枠組み(施設・設備の復旧・整備に対する補助)があるが、それとて、約150億円しか計上されていない(水産枠の10%にも達していない)。しかも、この施策支援の対象はあらゆる産業が対象であり、水産加工業に優先されるものではない。
 水産業の復興の財政支援を考えるとき、漁業だけでなく、水産加工業の支援もよく考える必要がある。しかし、上述の通り、第一次補正予算の内容を見れば「片手落ち」と言わざるを得ない。
 水産加工業の企業を見渡すと、取り扱う原料、製品が多種多様で、規模もさまざまである。そのためか、「施設・設備の復旧・整備に対する補助(サプライチェーン補助)」のような復旧型支援以外に、財政支援スキームがなかなか創出されない。
 他方、各産地にいる有力な水産加工業者は、日々市場対応を図ってきたことから、さまざまな情報とノウハウを蓄積しており、新たなビジネスを創出する能力に長けている。彼らは、実行可能性が高い新ビジネスを具体的に描くことができる。
 政府は、こうしたアントレナーシップに満ちた水産加工業者らを集め、彼らの叡智を結集しながら、水産加工業の復興のための財政支援スキームを提案させる“機会や場”を設けることはできないであろうか。
 

漁場再生緊急対策事業(仮称)の早急な実施を

 投稿者:濱本俊策メール  投稿日:2011年 5月27日(金)14時29分50秒
返信・引用
  ― 漁場再生緊急対策事業(仮称)の早急な実施を ―

時間的に許されるのであれば、今後の国・県などの種々の緊急対策と中・長期的な施策が講じられることによって、被災地域の漁業が一定の復旧・復興もなされるとは思うが、被災地の各浜毎に、どの漁協が残り、どの位の漁業者が転廃業するか、すでに概略の数字が出ているはずである。命拾いをされた漁業者であっても、家族や家・財産のすべてを失い、生きる気力をも失いかけている漁業離脱予備軍は数知れず、日本の漁業が間違いなく存亡の危機に直面していることは、被災地から遠く離れ、マスコミ報道のみでしか実態を知らない我々であっても容易に推察できることである。
今、再起する意思を持つ、もしくはその意思を喪失しかけている漁業者にとって必要なものは、間違いなく「金」であろう。それも補助金や融資ではない。自分で稼いで手に入れ、どう自由に使ってもよい、あとに負担の残らない「金」である。それも、漁業・漁場を通じて稼いだ金が一番のはずである。
では、その方法はあるのか・・・?漁業権の国有化と共同行使、法的には難しいが各県漁連への漁業権の免許の移転と従来地区・漁業・漁法での行使、など議論する余地はあるが、そもそも沿岸域においては漁業権漁場そのものが、堆積物で大きく破壊されてしまっている。それらを除去しない限り、地先漁業の再生はあり得ない。沖合漁業においては経営体制の見直しですでに協業体などが動き出しているが、高齢者も従事する沿岸漁業においては、まず漁場の再生を最優先すべきであると思う。漁場堆積物の除去には膨大な時間と金がかかると思うが、このまま放置できるはずはなく、いつかは除去をしなければならない。それなら直ちに着手すべきである。時間がたてばたつほど埋没や漁場破壊がさらに進む。今回は未曽有の天災であって漁業者は全面的な被害者との位置付けで、国直轄の「東北地方漁場再生緊急対策事業(仮称)」を立ち上げ、その際の作業員として漁場行使権を持つ漁業者を雇用する形で事業を実施すればよいと思う。漁業者側は漁業権に付与されている妨害排除請求権を盾に国に訴えてもよい。燃油高騰対策や資源回復・漁場生産力強化事業で取り組んだ輪番休業を、今回は「天災による休業」と位置付けて、大規模海底清掃や海底耕うんでも浚渫でもよい。漁船も漁具も失った漁業者は、大型作業船への上乗り作業員としてしか取り組めないために不本意ではあろうが、とにかく漁場の再生を急ぐべきである。これまでの輪番休業事業は全漁連から都道府県漁連等を通じて漁業者個人への直接給付事業であったために、事務処理上の不備等を各方面から指摘されてきたが、今回は違う。国民への水産物の安定供給という国策に基づいた、漁業者が時間と体を使って行う事業であってそれにより稼いだ金であり、どこからもだれからも非難されるものではない。「それでいいのか」という議論は後ででもできる。「漁場の復旧 ⇒ 漁業者のモチベーションの維持・向上 ⇒ 新たな漁場造成・種苗放流の集中実施 ⇒ 漁業の復活・再生」が私の描くシナリオであり、海で稼いだ金であれば漁業者は元気になるはずである。それが漁船・漁具の入手につながり、そして生きる支え、漁業の再生につながるものと信じたい。
 

「想定外」には想定外の対応を=現制度融資法の改正でこれからの水産業の復興=

 投稿者:小泉光彦メール  投稿日:2011年 5月16日(月)08時58分35秒
返信・引用
  1.融資について
①緊急時限的融資制度の改正
②特例被災制度資金の新設(包括的な資金制度)
 対象となるのは、これまでの制度融資に含まれていなかった中古船・中古エンジンの購入も導入し、また漁網・船体修理・機器類・漁労機械・発電機・モーター等の修理代、生活資金等出漁できるまでの費用として再出発をサポートする新しい考え方を望みたい(漁船保険でまかなえない部分があるので)。
③上記②の償還については、今回の原発の収束を目安とし、なおかつ風評被害が収まり、通常の操業ができるようになるまでとし、それから償還を開始することとする。
④現在、制度融資を受けている場合、その償還については利息も含めて即刻据え置くとする。償還時期は③と同じとする。
⑤上記④の措置をした時、その償還についても時期を後へスライドすること。

2.風評被害の補償と対策について
①東電に対しては可及的速やかに補償することを東電と随時交渉し、一方、国民を漁業者の味方にするようなアピールを持続して行うこと。
②国・県はサンプル調査を綿密に実施する。
③漁業者自らも地元行政・商工会議所・市民団体などと連携をとりながら、地元から安全・安心の発信を継続すること。

3.関連産業の救済
①関連産業の連鎖倒産を回避するため、水産加工業・仲買人・お魚センター等の鮮魚販売店・造船所・エンジン代理店(メンテナンス)・発電機・無線機器の修理工場等水産業を維持していくうえで、どうしても欠かすことのできない産業に対しても時限的制度融資を新設する。償還は1の③④⑤と同様とする。

4.心のケア
①海の男は一見強そうに見られるが、陸で待つ多くの応援者に支えられているものの、各々は極めて深刻に今回の事故で苦しんでいる。行政は速やかに対話をし、水産業編成のための方策を協同で考察すべきである。
②二度と体験することのない未曾有のこの厳しさを漁業者・行政等、水産に関係する全てが共有するべきである。
 

宮城県知事の漁業権改訂論

 投稿者:加瀬和俊メール  投稿日:2011年 5月13日(金)10時38分51秒
返信・引用
   村井宮城県知事が復興構想会議で松下政経塾仕込みの政策論を展開し、漁業権改訂、企業の養殖・定置網への参入構想を打ち出している。論点としては規制改革会議の議論の二番煎じであるが、罹災漁業者が苦労して復旧を図ろうとしている際に、「漁業再建のために」これを打ち出している点で無視できない。
下記は朝日新聞の「私の視点」欄に投書したが、「漁業権を独占している漁協が既得権擁護のために反発している」といった論調で村井知事の主張を肯定的に報道している朝日新聞には没にされるのが確実なので、こちらに投稿します。


復旧なき復興は幻想 漁業権制度改訂提案の危険性

東日本大震災は、津波による人的・物的被害が圧倒的であった点で、関東大震災や阪神大震災等と異なっている。したがってその再建にあたっては、沿岸地域特有の諸事情が念頭に置かれなければならない。特に漁業を主要産業とするこの地方にあって、漁業および関連産業の人々の生活を立て直すことが、復旧を通じて復興への道を切り開くための焦眉の課題である。
しかるに漁業関係者の復旧努力を脅かし兼ねない驚くべき提案が、ほかならぬ宮城県知事から、10日の復興構想会議の場に提示され、漁業関係者不在の同会議の場で簡単に決定され兼ねない雲行きである。
農業とは異なって漁業が営まれる漁場は誰のものでもないので、多数の漁民が紛争を起こさずに操業するためには、どの海域で、誰が、どれだけの規模で、どの漁業を営めるのかを定める規則が必要である。沿岸域に限定して対象海域を定め、実際に当該海域で操業している漁業者集団(漁協)に県知事が漁業権を免許し、当該漁協が漁業者の経営実態と漁場の収容力を考慮して各漁業者に漁場行使権を割り振るという現行制度がそれである。
宮城県知事の制度構想の詳細は未だ示されていないが、被災地域に特区を設定し、県知事が漁業権を外部の企業に与え、資本力を活用した効率的な漁業を創出しようとするもののようである。それは、従来の漁業の復旧、漁業者の経営再建の課題を素通りして、漁業生産の効率的な量的回復を優先しているように見える。
沿岸漁業者は沿岸域に居住しているから、彼らの多くは家屋とともに漁船・漁具・養殖施設を失っている。従来の負債に加えて新たに借金を重ねることは不可能であり、失った漁業用資材を新たに購入することなど無理であるから、彼らに可能な道は、従来の漁船よりも小規模な中古船を捜し、瓦礫の中から使える養殖施設を拾い集め、生活水準を切り下げ、労働を強化して、ともかくも操業を再開し、毎年少しずつ経営規模を回復する執念を持続することであろう。その時に、他に転ずべき職業が地元には存在しない中で、従来は許容されていた漁場利用権を奪われた時、行き着く先は福祉への依存でしかなくなるのではないか。
企業が本当に沿岸漁場に参入したいのであれば、既存漁業者集団と協調を図って参入する現行の方式にしたがうべきこと、それを嫌うのであれば、漁業権漁場の外側に大きく開けている沖合漁業・許可漁業の領域で着業すべきことを訴えたい。
 

漁業・水産加工業の公社化

 投稿者:柳田洋一メール  投稿日:2011年 5月12日(木)17時56分42秒
返信・引用
  今般の東日本大震災からの漁業・水産加工業の復興に際し、行政側から様々な支援策が打ち出されようとしている。その中には制度資金も盛り込まれているが、融資は要は借金である。漁業者や水産加工業者の中には、借りても返済できるかどうか不安を口にする者が少なくない。また、漁協等にも漁港等共同利用施設の地元負担を捻出できる体力がなくなっている。
 そこで、漁業者や水産加工業者に漁船・漁具、養殖施設、水産加工場などを整備する資金を貸し出すのではなく、これらの施設を国、地方公共団体、漁協、水産加工協等が出資する水産公社が整備し、運営していく方策は取れないものだろうか。
 宮城県知事は、漁業の「国有化」「株式会社化」を提案しており(http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042601001149.html)、当方もこの考え方には賛同する。
 つまり水産業を一時的に公有化して、社会資本として整備し、経営が軌道に乗ってきた段階で、漁業者や漁協等へ払い下げることで、整備資金を返済するという方策である。
 漁業者や水産加工業者は、公社の職員として働くことになる。共同化・協業化すると、時には一攫千金も夢ではない漁師としての醍醐味・面白味がなくなってしまうと思われがちだが、その点はプール制操業と同じと考えれば、固定給+インセンティブで解決できるはずである。
 公社化するメリットとして、行政側からも職員を派遣することで、知的・人的支援が期待できるのではないだろうか。
 さらに公社へ地域の漁業・水産業の担い手育成機関である水産高校の卒業生から採用することで、公社を担い手の受け皿としても活用できる。当然、公社と水産高校は、生徒の企業実習の受入などで緊密な協力関係を持つことになる。
 全国的に漁業就業者の高齢化と減少が進行しており、担い手の不足への対応が喫緊の課題といわれて久しいが、漁家数が減少しているなか、その子弟を後継者(狭義の意味での「担い手」)として確保しようとしても、そのパイは限られており、非漁家・漁業外の地域住民からも担い手を確保・育成していくことが必要不可欠である。
 また、漁業者が減少していくと、広域な漁業権漁場を漁業者だけで維持管理することが困難になることが想定されるので、漁業者と地域住民が一緒になって、磯根資源を生産する漁業権漁場を地域共有の自然環境財産として維持管理していく必要もある。
 地域住民には、「浜のサポーター」としての役割も期待していきたい。
 

知的・人的支援の必要性・・現地調査(2011.5.2)の実施より一言

 投稿者:濱田武士メール  投稿日:2011年 5月 4日(水)16時19分46秒
返信・引用 編集済
   岩手県の各漁協は漁業再生への活動を始めている。漁業再生の目処が立たなければ、漁業の担い手層が漁村から流出するからである。

 地区により主要業種の違いはあるが、岩手県では、特に、定置網漁業(漁協自営定置が多い)と来年春に収穫期をむかえるワカメ養殖の再生が急がれている。どちらも、壊滅状態であるものの、岩手県の漁村の主力業種であり、漁協経営を支えてきた存在だからである。また、11月頃から水揚げされる定置網漁業による秋サケ、3月中旬から収穫されるワカメは、どちらも三陸の水産加工業にとって重要資源である。もともと両業種の地域経済への波及効果は大きかった。うまく復興すれば、三陸・漁村の地域経済の再生の原動力に成り得る。

 各漁協は、組合員の震災対応で忙殺される中、自営定置漁業の再開計画と、ワカメ養殖の共同化・協業化策の計画を具体的に描いている。漁船、漁具、養殖施設などをすべて漁協が準備する計画である。もちろん、これから出てくる政策支援を睨んでである。
 他方、2011.5.2に水産庁HPで公表された「東日本大震災による水産業の影響と今後の対応」の中には、こうした動きを支援するような内容が盛り込まれている。水産加工業の支援策もある。最終案はまだのようであるが、これらの対策がうまく機能し、定置網漁業やワカメ養殖の復興に繋がることを祈るばかりである。

水産庁HP:http://www.jfa.maff.go.jp/pdf/110502_shinsai_kongonotaiou.pdf

 だが、現地の惨状を踏まえると、漁協への負担が重すぎるのではないかと危惧感が残る。端的に述べると、漁協職員のマンパワー不足である。再開のためにクリアしなければならない対応課題があまりにも多い。
 現段階では、漁協職員(行方不明者もおり減員状態)は、自らも被災者としての生活を送りながら、組合員の被害対応、例えば、漁船保険、漁業・養殖共済、JF共済などの対応に追われている。しかも、漁協事務所の多くは復旧しておらず、仮設の事務所の中で応急的な対応しかできない状況である。その一方で、漁業再生を図るために、漁場の瓦礫撤去事業の手配のほか、漁船・船舶機器の調達・修繕、漁具資材の調達、養殖施設の敷設、製氷施設の再構築などあらゆる生産手段・施設を準備しなければならない。造船所、船舶機器代理店、鉄工所、漁網会社との連絡体制を強めているが、地元の関連業者も被災していることから、物によっては簡単に調達できない。そのことへの対応に時間を割かなくてはならない。さらには、何もかもが不完全な状態の中で、漁業・養殖業への再開に向けて、情報収集を行い、早期に実現できる再生計画の創出が求められており、同時に、組合員の共同化、協業化を進めるために漁協の指導体制を強化しなくてはならない。そして、政策対応が始まれば、過去の資料が失われた中、膨大な書類作成を強いられる可能性がある。

 漁業・漁村の復興は、言うまでもなく、漁業者の復興であり、それを支える人たちの復興でもある。また、関連産業に関わる人たちの復興でもある。他方で、彼らの多くは避難生活者である。

 物的財政支援・金融支援の必要性は言うまでもないが、復興支援のための知的・人的支援体制や漁協への負担軽減策も考える必要があるのではないであろうか。
 

問われる「集約化=食糧基地構想」

 投稿者:濱田武士メール  投稿日:2011年 4月24日(日)23時30分26秒
返信・引用 編集済
   震災後、約5週間で東北食糧基地構想が公表され、その中に、漁港集約化の構想があった。(http://www.asahi.com/politics/update/0416/images/TKY201104160399.jpg)。点在する小規模漁港・漁村を拠点に集約して、水産基地を創出しようというものである。この構想は、主に三陸沿岸部に適用されるものと推察される。比較的海岸線がまっすぐな福島県は漁港数が10しかないが、入り組んだリアス式海岸が県下の海岸の半分以上を占める岩手県、宮城県では、漁港数がそれぞれ100を超えているからである。さらに、今回の震災では、漁港や膨大な数の漁船だけでなく、漁協施設、卸売市場、水産流通・加工業、造船所、鉄工所、電気整備業、船舶機器関連業、加工機器製造販売業、トラック(運送会社)、倉庫業など、あらゆる水産関連の施設・事業所が被災した。このような施設・事業所の全面的復旧が望めない状況下、復興を考えるに当たり、「拠点集約化」という発想がでるのは致し方がない。

 しかし、三陸における拠点漁港には、水産加工団地があり、地区によっては造船団地などもあり、随分昔から関連産業が集積し、集約化されていた。それら拠点漁港のある地域は、近隣の小規模漁港で水揚げされたものが集まる物流拠点であり、近隣の漁村に燃料や資材やさまざまな物資が供給される物流中継点であり、漁船や機器類のメンテナンスサービスが供給される拠点であった。拠点地域は周辺漁村も含めた地域水産経済の中枢を担ってきたのである。そのことから東北食糧基地構想に掲げられた「集約化」にはあまり新たな発想を感じとることができない
 他方、小規模漁港がある漁村は、拠点漁港に水産物を供給するという役割を果たしているだけでなく、前浜の磯根資源の管理、密猟防止、環境維持などの多面的機能を発揮してきた。つまり、入り江ごとにある小規模漁村の存在意義は、近場にある漁場の資源や環境を保全するところにあった。小さな漁港は漁村のその機能を支えてきたのである。
 このように拠点漁港の地域と近隣の小規模漁村は、それぞれの役割があり、これらの間には、三陸特有の地理的環境に対応した地域間構造があった。

 現段階では、先日公表された東北食糧基地構想の集約化の詳細は分からない。ただ、その構想が、三陸沿岸域における地域経済の特性を無視した再開発にならないこと、開発行政主導の拠点開発方式にならないことを、願うばかりである。

 ここで提言したいことは、「集約化」というスローガンに囚われず、残った担い手・地域・資源・機能をうまく活用した新たな地域水産業を創出していく、である。壊滅状態とは言え、被災状況は地域によってさまざまだからである。そのためには、残った関連事業者らが主体的に地域水産業をつくっていくことが重要であり、その実現には、まず、従来の事業種枠を超えて、様々な水産関連業者らが集まる復興事業組織を圏域ごとに組織化することが必要である。組織形態としては、政策支援を行え得る法的根拠を持つ組織LLP(有限責任事業組合)などが考えられる。そして、復興関連法の中に、この組織を復興の担い手として位置づけ、その上で、復興主体が、調査・検討を踏まえつつ、新たな水産業の事業連携体制や、当該圏域における新たな地域間分業体制を構想していけばよい。そうすれば、拠点に集約化した方がよい事業、異業種連携を図った方が良い事業、共同化を図った方が良い事業などが出てこよう。被災者の生活と仕事を復興するためにも、地元事業者不在の計画に基づく、拙速で乱暴な再開発(小規模漁港を全て切り捨てるなど)は避けたいところである。
 

漁業用生産手段再建への支援を第一に

 投稿者:加瀬和俊メール  投稿日:2011年 4月23日(土)10時53分56秒
返信・引用
   漁港機能回復のための緊急・応急措置は重要であるが、一部で言われているような、公共事業費急増を意図した大規模な漁港投資(その前提としての基幹漁港への集約方針)はいかがなものか。
 漁業再建のためには漁港機能を従前より強化することよりも、失われた漁船・漁網・養殖施設等の再建が不可欠であるが、それが全面的に漁業者の自己責任に任されている状況を変える必要がある。もちろん生産手段の漁協所有・管理、漁業者によるその共同利用といった、すでに開始されている方式は重要であり、漁協所有・共同所有であれば財政支出が可能であるという財政運用方式も生かす必要があるが、共同利用が不可能で、利用者の専用に任されざるをえないものも少なくない。
 罹災した家屋の再建はすべて個人責任に任されていた状態に抗して、阪神大震災後の罹災者達の粘り強い運動によって作られた被災者生活再建支援制度によって、最高300万円までの住居取得の支援金が国庫から個人に給付されている。
 親子代々にわたって少しずつ資産形成をしてきた漁業用生産手段は、それを一気に購入しようとすれば、水揚高に対して極めて高額になってしまい、無利子資金の提供だけでは、現在の水産物価格ではとうてい返済ができないという現実がある。この点に関して、住宅建造費への支援金制度の理念を適用することが必要である。こうした方向は「何でも補助金要求か」として否定されているのかも知れないが、再建のための要の意味を持つと思われる。それなしには、高齢漁業者の大半は再建を断念し、漁業者数は一気に急減するのではないか。検討されている水産政策構想の中にこの点が含まれていないようなので、強くこの点を主張したい。
 

大震災復興提言コーナーの開設

 投稿者:漁業経済学会HP管理者  投稿日:2011年 4月23日(土)00時53分21秒
返信・引用 編集済
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